ヘパリン類似物質の効果的な使い方と注意点について

実はなじみ深いヘパリン類似物質

ヘパリン類似物質という、ちょっと変わったネーミングを聞いてすぐにピンとくる方と言うのは、スキンケアに関してかなり詳しい方であると言えると思います。
でも実際この名前を知らなくても、ヘパリン類似物質を使用した事がある方というのも、案外多いものと思われます。
というのも、このお薬は乾燥肌を改善する成分として、実に50年以上前から日本国内で使用されてきたものなのです。

皮膚科で処方される際には「ヒルドイド」という名称になっていますので、その名前なら聞いたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。
重い副作用が出る心配がないので、赤ちゃんからお年寄りまで、幅広い年代の乾燥による皮膚トラブルに使用することができます。
またアトピー性皮膚炎に対して、ステロイドの外用薬と併用する目的で処方されることもあります。

ヘパリン類似物質とは

ヘパリン類似物質は元々血液の凝固を防ぐために研究開発された薬です。
血栓症静脈炎や血行障害によって起こる痛み、また炎症性の痛みやしもやけ、筋肉痛、腱鞘炎などの改善に効果が期待できます。
副作用は少ないお薬ですが、まれに皮膚のかゆみや炎症、皮膚が赤くなる、発疹などが生じる事があります。

使用する疾患

  • 皮脂欠乏症、進行性指掌角皮症
  • 肥厚性瘢痕・ケロイドの治療と予防
  • 凍瘡
  • 血行障害に基づく疼痛と炎症性疾患
  • 血栓性静脈炎
  • 外傷(打撲、捻挫、挫傷)後の腫脹・血腫・腱鞘炎・筋肉痛・関節炎
  • 筋性斜頸(乳児期)

ヘパリン類似物質の特徴と効果

肌が乾燥する原因

なぜ肌の乾燥が起こるのでしょうか。
それは様々な要因によって、本来皮膚が持っている保湿力やバリア機能が低下するためです。
特に皮膚の角質層がダメージを受けたり、未熟な角質が肌表面に出て来ることで引き起こされる事が多くなります。
さらに1度乾燥すると、バリア機能が低下してますます外からの刺激を受けやすくなり、そのせいで慢性的に乾燥している状態が続いてしまいます。

乾燥肌を根本的に解決するヘパリン類似物質

ではヘパリン類似物質はどのような作用によって、乾燥肌を改善していくのでしょうか。
ヘパリン類似物質には、低下した保湿力とバリア機能を元に戻し、新陳代謝を促す作用に加え、炎症を抑える効果も期待できます。
ヘパリン類似物質のその働きによって、乾燥により荒れた肌を修復すると考えられています。
皮膚が水分を保持する働きを高めながら、炎症も抑える効果があるため、対処療法ではなく根本的に乾燥肌を改善する事が可能と言えます。

ヘパリン類似物質の使い方

形態の選び方

ヘパリン類似物質が配合されているお薬にはいくつかの形態があります。
肌の状態や用途、それに使用感によって使い分ける事ができます。
基本的な使い方は次の通りですが、それぞれの肌の状態などでも変わって来ますので、実際の使用方法は医師の指示に従って下さい。

  • クリーム・軟膏 : 1日1~数回適量を患部に塗擦又はガーゼ等にのばして貼る
  • ローション   : 1日1~数回適量を患部に塗布
  • スプレー  : 1日1~数回適量を患部に噴霧

この中で最も保湿効果が高いのはクリームになりますが、中にはべたつきが気になるという方もいらっしゃるかと思います。
べたつきが気になる暑い季節はローションなどにして、乾燥が進む冬場はクリームにする、などというようにそれぞれを使い分けるというのもひとつの選択肢です。

効果的な使い方

手のひら全体に必要な量をとり、丁寧に肌になじませて行くようにしましょう。
少ない量を指先でこするように付けると、十分な効果が得られないばかりでなく、摩擦で皮膚の乾燥や炎症が悪化する可能性もあります。
尚、妊娠中や授乳中の方は、主治医に相談の上使用するようにして下さい。

使用上の注意

持病やアレルギーのある方は診察時に医師に申し出て下さい。
特に血友病や血小板減少症などの、出血性の病気をお持ちの方は使用できませんので注意が必要です。
また、眼には使用する事はできません。
傷やただれのある箇所にも直接塗るのは控えて下さい。