プロペトの効果と副作用について

プロペトは白色ワセリンとも呼ばれる軟膏で、1955年から販売されています。
乾燥した皮膚を保湿したり、傷を負った皮膚を保護したりするのにプロペト単体で使う他にも、他の軟膏製剤と混ぜて使っても安心なお薬になります。

プロペトは安全性も確率されており、様々な皮膚のトラブルに使えるお薬なため、発売されて50年経った今も非常に多く使われています。
皮膚の治療用の軟膏にも多くの種類があります。
その中でこのプロペトの特徴は何か、またどんな疾患に向いているのかという事について詳しく見ていきましょう。

プロペトの特徴

プロペトは油脂性の製剤であり、水を通しにくいため皮膚の保湿や保護に非常に効果的です。
刺激も少なく副作用もほとんどないお薬です。

プロペトは白色ワセリンを主成分としています。
ワセリンというのは、石油から作られる物質であり、その事からわかるように水を通しません。
プロペトはこの作用によって、皮膚を保護したり保湿したりします。

実際に皮膚にプロペトを塗布すると身体から分泌され皮膚に出てきた水分は、プロペトに蓋をされた状態となり、蒸発する事ができなくなります。
それによって皮膚の表面が保湿されます。

また最近話題となっている湿潤療法は、皮膚に出来た傷を潤わせて直すという療法ですが、これにもプロペトは有効です。
傷口にプロペトを塗る事で傷口が保湿され、傷の治りが早くなります。

さらにプロペトは塗布することで皮膚にバリアを作り、細菌などから守る働きもあります。
例を挙げると、寝たきり状態の高齢者のお尻に床ずれができてしまったとします。
傷口に便が入り刺激すると、治りが悪くなるばかりかさらに悪化することもあります。
その時に傷口にプロペトを塗布すると、プロペトがバリアとなって傷口に便が直接入り込まず、傷の悪化を防ぐことができます。
水を通さないというワセリンの働きが、このように様々な肌のトラブルに効果を発揮します。

プロペトのもうひとつのメリットと言えるのは、刺激性がほとんどないことです。
塗ったことによって皮膚に副作用が出るといったことはほとんどありません。
化学的にも安定していて他の化合物と混ぜても反応することはないため、ほかの軟膏と合わせて使われることも多くなります。

例えば皮膚の炎症をステロイドの軟膏を使用して抑えようとする時、ステロイドにプロペトを混ぜる事によって、ステロイドの副作用を軽減させることができ、さらには保湿やバリア機能の作用も期待できます。

さてプロペトは軟膏ですが、皮膚に使う塗り薬には他にもクリームやローションなどのタイプもあります。
それぞれメリットやデメリットがありますので、見極めて使用するようにしましょう。

軟膏は保湿力が高くて刺激性が低いのがメリットと言えますが、皮膚に浸透する力は弱くなります。また伸びも悪く、べたべたしやすいというデメリットもあります。

ローションは伸びは良く、べたべたせずに皮膚によく浸透しますが、保湿力は弱く刺激も高めと言えるでしょう。

そしてクリームは軟膏とローションのちょうど間くらいの性質です。

どれが良いというのではなく、その時の皮膚の状態にはどれが向いているのかに応じて、どれを使うのかを判断する必要があります。
プロペトの特徴をまとめると、次のようになります。

  • 水を通さない性質を持った軟膏
  • 皮膚を保湿・湿潤させたり、保護する作用がある
  • 刺激性は低く保湿力は高いが、べたつきやすく伸びが悪い
  • 副作用はほとんどない
  • 安定した物質であるため、他の軟膏と混ぜて使われる事も多い

プロペトを使う疾患とは

プロペトはどのような疾患に使われるお薬なのでしょうか。
添付文書を見ると次のような記載がされています。

効能または効果

  • 眼科用軟膏基剤、一般軟膏基剤として調剤に用いる。
  • また皮膚保護剤として用いる。

この皮膚保護を具体的に言うとこのようになります。

  • 保湿する
  • 傷を潤して治す
  • 傷に異物が侵入するのを防ぐ

プロペトは刺激性が非常に低いので、顔はもちろん肛門や陰部周辺などのデリケートな箇所にも使用できます。
また精度が高いプロペトであれば、目に使うことも可能です。
そのため軽度の皮膚のトラブルには、広く用いられることとなっています。

プロペトの作用とは

プロペトの作用をもう少し詳しく見ていきます。
プロペトの主な特徴としては、水分を通さないという事があります。
その事から次のような作用が期待できます。

保湿作用

プロペトの主成分はワセリンです。
油脂性の物質であるため、水をはじく特性があります。
水分の上にプロペトを塗れば、その下の水分を閉じ込めることができるということです。
これを利用したのが、プロペトの保湿作用になります。
通常人間の皮膚から分泌された汗は、時間がたてば蒸発します。
しかしそこにプロペトを塗っておくと、分泌された汗は蒸発できないため、皮膚の表面に水分が多い状態となるのです。
皮膚の乾燥やそれが原因で起こる肌トラブルには、プロペトの保湿作用が効果的です。

創傷保護作用

皮膚にできた傷口にプロペトを塗る事によって、傷の治りが早くなるという効果が期待できます。
プロペトに傷を治すという直接的な作用があるわけではありません。
プロペトは水を通さない性質のため、傷口にプロペトを塗ることで、傷口から分泌された浸出液がその場所に長くとどまる事になります。

これは近年言われている、傷を早くきれいに治すためには傷口を乾燥させないという湿潤療法です。
傷口を湿潤した環境に保って浸出液を閉じ込めることで、傷の治りを早めることができるのです。

バリア作用

プロペトは水を通さない性質があります。
皮膚に塗る事で、皮膚の外から来た異物を皮膚につけないようにするバリア作用も期待できます。
これが役立つ場面としては、寝たきりになっているような高齢者のケアになります。
床ずれなどができると、特に肛門の付近や陰部にできた傷は、便や尿などのばい菌に汚染されて治りにくい傾向になります。
そんな時にプロペドを傷口に塗っておけば、バリア機能で細菌を寄せ付けないため、傷が治りやすくなります。

プロペドの副作用

安全性が高いとされるプロペトですが、はたして副作用はあるのでしょうか。
結論から言えば、プロペトで副作用がおきる事はまずないと言ってよいでしょう。
身体に塗るものなので、皮膚の状態によっては何か起きることはないとはっきり言い切ることはできませんが、これまでにそういった例はありません。
プロペトの副作用の発生率の詳細な調査結果はありませんが、重篤な副作用はまずなく、それ以外も極めて低い確率であると考えられます。
生じる可能性がある副作用として報告されているのは、接触皮膚炎症状、いわゆるかぶれです。
それもプロペトの塗布を中止して、様子を見ていれば自然に回復するレベルです。

プロペトの用量・用法

プロペトには100g・500g・15㎏がありますが、この量でしか処方されないわけではなく、プラスチックの容器に小分けして必要量を処方してもらえます。
プロペトの使い方としては、基本的に適量を皮膚に軽く塗布することとなっています。
実際にはその時の皮膚の状態によって塗布する量や回数は異なってきますので、主治医の指示に従うようにしましょう。
プロペトの水を通さないという作用は、皮膚についている限り続きますが、軟膏が落ちやすい部位であれば、一日に何度か塗り直しが必要となりますし、そうでない箇所であれば1日1回で十分な場合もあります。

プロペトの使用期限

プロペトの使用期限はどの程度なのでしょうか。
数年前に処方されたものが使い切らずに家にある、といったケースではそれを使うことは可能かと、悩む方もいらっしゃるかもしれません。
これは保存状態によっても異なります。
遮光された室温の場所で適正に保存されていた場合、製薬会社によると使用期限は3年となっています。

プロペトが向いている人

まずプロペトの特徴をもう一度確認してみましょう。

プロペトの特徴

  • 水を通さない性質を持った軟膏
  • 皮膚を保湿・湿潤させたり、保護する作用がある
  • 刺激性は低く保湿力は高いが、べたつきやすく伸びが悪い
  • 副作用はほとんどない
  • 安定した物質であるため、他の軟膏と混ぜて使われる事も多い

このようにプロペトは水を通さずに刺激性がなくて安全なお薬ですので、劇的に症状を回復させる力はありませんが、軽症の皮膚のトラブルに多く用いられます。
副作用が起こることはほぼないと考えてよいため、安全に皮膚を治したい赤ちゃんや高齢者の方などにも勧めできます。
具体的には次のような方に向いているお薬と言えます。

  • 皮膚の改造を改善させたい方
  • 皮膚の傷口を湿潤環境にしてきれいに早く治したい方
  • 汚染されやすい箇所の傷を治したい方