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コレミナールの効果と副作用
コレミナールとは、消化管の機能を改善するお薬で、1988年に発売されました。
ベンゾジアゼピン系の抗不安薬に分類され、自律神経が乱れたことによって起こる消化器の機能不全を改善する効果が期待できます。
抗不安薬として売り出されている訳ではないので、抗不安の効果はそれほど強いものではありません。
こちらではコレミナールの特徴や効果・副作用などについて、詳しく解説いたします。
コレミナールの効果と特徴
コレミナールは脳の活動を抑え、気持ちを落ち着かせるお薬になります。
作用としては4つあり、その程度は次の通りです。
- 抗不安作用 : やや弱い
- 催眠作用 : 弱
- 筋弛緩作用 : 弱
- 抗けいれん作用 : わずか
コレミナール使用のメリット
コレミナールは即効性がありますので、効果が出るのが早いお薬です。
効果の程度は強くありませんが、服用すればすぐに少し楽になりますので、安心感が生まれます。
コレミナールには抗不安作用の他にも、催眠作用や筋弛緩作用もあります。
しかしこれらの作用も弱いものですので、服用しても眠気やふらつきが生じる心配も少なくなります。
そのため足腰が弱くなっているような高齢の方にも向いています。
効果が弱いという事は、依存性も低いという事につながります。
服用しても身体に大きな影響を与えないため、離脱症状も起こりにくいと言えます。
必要がなくなった時には、迷わずやめることが出来ます。
コレミナールの添付文書によると、ストレス性の胃腸症状に効果があるとされています。
過敏性腸症候群や慢性胃炎・十二指腸潰瘍などの改善が期待できるようです。
データによれば、ジアゼパムという抗不安薬と同等もしくはそれ以上の効果が認められています。
これらをまとめると、コレミナールのメリットは次のようになります。
- 即効性がある
- 日中眠気が起きにくい
- ふらつきが少ない
- 依存性が低い
- ストレス性の消化管機能障害の改善効果が高い
コレミナールのデメリット
コレミナールのデメリットとして第一に挙げられるのは、その効果の低さです。
不安の程度が強いケースでは、コレミナールでは力が足りません。
コレミナールを飲んでも全く効果がないと感じてしまう方もいます。
催眠効果や筋弛緩効果が少ないので、効果を実感しにくいのです。
またコレミナールを服用する事によって、睡眠の質を下げてしまう場合があります。
睡眠時間は増えたとしても、深い眠りを減らし浅い眠りにしてしまう傾向があるのです。
そのため熟睡感も感じにくくなってしまう事があります。
これらの事から、コレミナールのデメリットは次のようになります。
- 効果が弱い
- 睡眠の質が下がる
コレミナールの作用時間と効き目
コレミナールの最高血中濃度到達時間は1時間で、半減期は3.5時間になり、「短時間型抗不安薬」という部類に入ります。
効果が持続する時間は2時間から4時間程であり、抗不安作用や催眠作用・筋弛緩作用ともに弱いお薬と言えます。
詳しく説明します。
コレミナールは服用して約1時間後に、血中の濃度がピークになります。
そこから少しずつ身体から薬が抜けることで血中濃度は減って行き、およそ3.5時間後には血中濃度はピーク時の半分になります。
コレミナールは服用して1時間で効果のピークが来ますので、即効性があるお薬と言えます。
半減期の3.5時間というのも抗不安薬の中では、非常に短い部類です。
実際にはコレミナールを服用すると、15分から30分くらいで効果が現れます。
そして1時間で効果はピークに達し、そのまましばらく続くこととなります。
薬は効きやすい方と効きにくい方と個人差がありますが、コレミナールの効果はおおむね2時間から4時間持続すると考えられます。
用量としては1日12mgで使用するお薬であり、コレミナールは4mg錠を、1日3回服用するのが一般的です。
即効性はあるものの、効果は強くないので頓服としてはあまり向いていません。
コレミナールの副作用
コレミナールは作用している時間が短くて、穏やかな効果の抗不安薬ですが、まれに服用した後に眠気やふらつきが現れることがあります。
先程ご説明したとおり、お薬の血中濃度がピークになるのが1時間で即効性がありますので、副作用も服用後すぐに現れる可能性が高くなります。
半減期は3.5時間で効果が持続するのも2時間から4時間ですので、副作用が現れたとしても、消えるのも早いと言えます。
効果の強さも穏やかなので、依存性は少なくなります。
眠気やふらつきが現れる確率も高くはありません。
調査によるとその割合は次の通りです。
- 眠気 : 0.8%
- ふらつき : 0.16%
コレミナールとその他の抗不安薬の比較
コレミナールは作用時間が短く、他の抗不安薬と比べても作用は弱く、穏やかなお薬と言えるでしょう。
様々なタイプの抗不安薬を比較するポイントは、次の二つです。
- 作用時間(最高血中濃度到達時間・半減期)
- 抗不安・催眠・筋弛緩・抗けいれんの4つの作用への強さ
この二つのポイントをベンゾジアゼピン系の抗不安薬で比較してみると、次の表のようになります。
このように作用時間によって、短時間作用型から超長時間作用型までの4段階があります。
短時間と中間型は、即効性を期待して使う事が多くなります。
超長時間型は、長く飲み続けることによって、だんだんと落ち着いて行くようにするお薬になります。
長期型はそれのちょうど中間で、即効性も期待出来る上に、飲み続けることで不安を落ち着ける事も期待できます。
作用時間による副作用の違いについては、次のように言えます。
- 作用時間が短いほど依存性がある
- 作用時間が長いほど薬が身体にたまり、眠気やふらつきが出やすい
医師は患者の不安の状態を総合的に見て、どの抗不安薬がよいか判断します。
作用時間と作用の強さを比較して、バランスを見ながら処方することになります。
コレミナールが向いている人
コレミナールの特徴を一言で表すと、優しい抗不安薬であると言えます。
効果も穏やかですし、副作用も出にくく、依存もしにくいです。
ですからコレミナールを抗不安薬として使用するのであれば、不安の程度が軽い方に向いています。
コレミナールを服用することで不安が消えるのであれば、これ以上強いお薬を使用する必要はないと言えます。
副作用や依存性が少ないので、精神科で出るお薬を飲むという事に抵抗がある方も、安心して使用できるお薬です。
コレミナールの危険性についての記事は、ネットで探してもほとんど見つかりません。
また、催眠作用や筋弛緩作用が弱いので、高齢の方に向いているお薬だとも言えます。
筋力が落ちて足腰が弱い高齢者が、ふらつきや眠気が強く出るようなお薬を使うというのは危険なことです。
また高齢になると肝臓や腎臓の機能も低下しますので、薬を分解するのにも時間が掛かります。
コレミナールのような作用が穏やかなお薬が向いていると言えるでしょう。
元々コレミナールは消化管機能改善薬として発売されたお薬です。
ですからストレス性の胃腸障害のある方にも向いているお薬です。
これらの特徴を踏まえ、コレミナールが向いている人と言えるのは次のような方だと言えます。
- 不安の程度が軽い方
- 副作用や依存が心配な方
- 高齢の方
- ストレス性の胃腸症状のある方
一般名と商品名
一般名 : フルタゾラム
商品名 : コレミナール
お薬の成分が同じであっても、販売する会社によって名前が変わって来ます。
一般名というのは薬の成分を表し、販売している会社に関わらず、世界共通で使われる薬の名称になります。
「フルタゾラム」は論文や学会など、学術的な領域でも使われています。
一方の商品名は、そのお薬を販売している会社が付けた名称です。
「コレミナール」という名前は製造元の田辺三菱製薬が付けました。
先発薬のコレミナールは1988年に発売されましたが、このお薬にはジェネリック医薬品は発売されていません。
まとめ
ここまでご説明したコレミナールの特徴をまとめてみます。
コレミナールの作用の特徴
- 抗不安作用 : やや弱い
- 催眠作用 : 弱
- 筋弛緩作用 : 弱
- 抗けいれん作用 : わずか
コレミナールのメリット
- 即効性がある
- 日中眠気が起きにくい
- ふらつきが少ない
- 依存性が低い
- ストレス性の消化管機能障害の改善効果が高い
コレミナールのデメリット
- 効果が弱い
- 睡眠の質が下がる
コレミナールの向いている方
- 不安の程度が軽い方
- 副作用や依存が心配な方
- 高齢の方
- ストレス性の胃腸症状のある方