メレックス錠

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メレックスの効果と副作用

メレックスは長時間型のベンゾジアゼピン系抗不安薬で、1984年に発売が開始されたお薬です。
しかし1989年に副作用が少ないメイラックスが発売された事によって、使われることが少なくなっているお薬でもあります。

抗不安薬は精神安定剤とも呼ばれることがあり、服用することによって不安や緊張を和らげてくれますが、その一方で眠気やふらつきが起こることもありますので、注意が必要です。
こちらでメレックスの特徴や効果・副作用等について、詳しく解説いたします。

メレックスの効果と特徴

メレックスは脳の活動を抑え、気持ちを落ち着かせるお薬です。
その作用は4つあり、それぞれの程度は次のようになります。

  • 抗不安作用   : 中
  • 催眠作用    : 中
  • 筋弛緩作用   : 弱
  • 抗けいれん作用 : わずか

メレックスのメリット

メレックスは血中濃度がピークになるまでの時間が短く、即効性が期待できるお薬です。
催眠作用も中程度ですので、就寝前に飲む事によってスムーズに睡眠に入るサポートをします。
ただし作用している時間が非常に長くなるために、頓服には向きません。
メレックスを続けて飲んでいると、身体の中にだんだん薬の成分がたまって行き、それによって徐々に不安になりにくくなって行きます。
また作用時間が長いという事が、依存性の低さにつながります。
ゆっくり薬が抜けて行くので、薬がない状態に身体が慣れやすいのです。

これらの事から、メレックスのメリットは次のようになります。

  • 即効性がある
  • 作用時間が長い
  • 依存性が低い

メレックスのデメリット

メレックスは副作用に注意が必要なお薬です。
長い時間作用するので、副作用が出るとその症状もしばらく続きます。
催眠作用や筋弛緩作用がありますので、日中眠くなったりふらつきを感じることがあります。
不安感や緊張感が強い時には、眠気は感じにくいですが、薬を服用して落ち着いてくると、急に眠気が強く現われる可能性がありますので、注意が必要です。

また眠くなる作用に反して、睡眠の質を下げる傾向もあります。
睡眠時間が増えたとしても、深い睡眠が減って浅い睡眠が増えてしまうので、熟睡感を得られにくくなってしまうことがあります。

これらの事から、メレックスのデメリットは次のようになります。

  • 日中眠気が出る
  • 日中ふらつくことが多い
  • 睡眠の質が落ちる

メレックスの作用時間と効き方

メレックスの最高血中濃度到達時間は2時間、半減期は105時間で、これは「長時間型抗不安薬」という部類に分類されます。
抗不安効果や催眠作用・筋弛緩作用は程度としては中ぐらいです。

意外かもしれませんが、実はメレックスはその自体にはほとんど薬効はありません。
服用してもすぐに分解されてしまいます。
では何が効果をもたらすのかと言えば、体内で分解される時に作られるクロロノルジアゼパムを中心とした、活性代謝産物です。
このような作用の薬は、プロドラッグと呼んでいます。
血中に取り込まれるまで作用しないため、副作用も出にくくなります。

そのためこのお薬が実際に効いているかどうかを判断するには、血中のクロロノルジアゼパムの濃度を観る必要があります。

メレックスを服用すると、約2時間でクロロノルジアゼパムの血中濃度がピークになります。
そしてその後105時間程かけて、血中濃度は半分になります。

毎日メレックスを服用すると、少しずつ体内にクロロノルジアゼパムがたまって行きます。
それをグラフにすると下のようになります。

飲み続けることによって、ある時期まで来ると均衡状態になりますが、これを定常状態と言います。
メレックスはだいたい1週間服用を続けると定常状態に達すると考えられています。
定期的に飲み続けることによって、不安になりにくい土台が出来上がるのです。

用量は1.5mgから3mgで、最大量は3mgです。高齢者は1.5mgとされています。
メレックス錠は0.5mg錠と1mg錠が販売されています。

メレックスの副作用

メレックスは作用時間が長く、眠気やふらつきに注意が必要なお薬ですが、依存性は低くなります。

メレックスは即効性があるお薬です。
また少しずつ身体の中にたまって行くお薬でもあります。
そのためすぐに副作用が出ることもありますし、蓄積した成分によって少しずつ出る事もあります。

効果の強さを見てみると、抗不安作用は普通であり、作用時間はとても長いです。
ですから依存性は他のお薬と比べても低い方であると言えるでしょう。

ただし作用時間が長いため、副作用が出てしまった際にはなかなか抜けません。
眠気やふらつきが強く出ることがあるので、事故にはくれぐれも注意する必要があります。

メレックスの副作用の出る割合は、次の通りです。

  • 眠気   : 3.9%
  • ふらつき : 1.29%

メレックスとその他の抗不安薬の比較

メレックスの作用時間は長く、メイラックスと比べると副作用が目立ちます。

様々なタイプの抗不安薬を比較するポイントは、次の二つです。

  • 作用時間(最高血中濃度到達時間・半減期)
  • 抗不安・催眠・筋弛緩・抗けいれんの4つの作用への強さ

この二つのポイントをベンゾジアゼピン系の抗不安薬で比較してみると、次の表のようになります。

このように作用時間によって、短時間作用型から超長時間作用型までの4段階があります。
短時間と中間型は、即効性を期待して使う事が多くなります。

超長時間型は、長く飲み続けることによって、だんだんと落ち着いて行くようにするお薬になります。
長期型はそれのちょうど中間で、即効性も期待出来る上に、飲み続けることで不安を落ち着ける事も期待できます。
作用時間による副作用の違いについては、次のように言えます。

  • 作用時間が短いほど依存性がある
  • 作用時間が長いほど薬が身体にたまり、眠気やふらつきが出やすい

医師は患者の不安の状態を総合的に見て、どの抗不安薬がよいか判断します。
作用時間と作用の強さを比較して、バランスを見ながら処方することになります。

メレックスが向いている人

メレックスは作用時間が非常ン長い抗不安薬になります。
飲み続けると身体に少しずつ蓄積して、不安になりにくくなって行きます。
ですから1日中不安が続いているような方に向いているお薬と言えます。

そういう方は長期間に渡って抗不安薬を服用し続ける事が多くなる傾向ですが、メレックスは依存性が低いので向いていると考えられます。

またメレックスは1日1回飲めばいいので、日中外にいてお薬を飲みにくい方や、1日に何回も薬を飲みたくないような方にも向いています。

睡眠障害がある方にも向いているお薬です。
不安が強い方は不眠症になりやすい傾向がありますが、メレックスは催眠効果がありますし、飲み続けて行くと少しずつ眠りやすくもなって行きます。

これらをまとめると、メレックスは次のような方に向いていると考えられます。

  • 1日中不安が続く方
  • 長期に渡って抗不安薬が必要な方
  • 1日1回の飲み方がいい方
  • 睡眠障害のある方

一般名と商品名

一般名 : メキサゾラム
商品名 : メレックス

お薬の成分が同じであっても、販売する会社によって名前が変わって来ます。
一般名というのは薬の成分を表し、販売している会社に関わらず、世界共通で使われる薬の名称になります。
「メキサゾラム」は論文や学会など、学術的な領域でも使われています。

一方の商品名は、そのお薬を販売している会社が付けた名称です。
「メレックス」という名前は製造元の第一三共が付けました。

1984年に発売されたメレックスは、特許もすでに切れたお薬ではありますが、ジェネリック医薬品は発売されていません。

まとめ

ここまでご説明したメレックスの特徴をまとめてみます。

メレックスの作用の特徴

  • 抗不安作用   : 中
  • 催眠作用    : 中
  • 筋弛緩作用   : 弱
  • 抗けいれん作用 : わずか

メレックスのメリット

  • 即効性がある
  • 作用時間が長い
  • 依存性が低い

メレックスのデメリット

  • 日中眠気が出る
  • 日中ふらつくことが多い
  • 睡眠の質が落ちる

メレックスの向いている方

  • 1日中不安が続く方
  • 長期に渡って抗不安薬が必要な方
  • 1日1回の飲み方がいい方
  • 睡眠障害のある方